2022年 デジタル人材採用に関わるシステム・ツールカオスマップ

久松剛 2022年6月13日

久松剛

目次

株式会社overflowが運営するOffersデジタル人材総研では、デジタル人材採用に関わるシステム・ツールの2022年カオスマップを公開します。選考フローを想定し、認知・興味、応募、選考、管理の4つに分類し、その傾向について解説します。

デジタル人材採用サービスカオスマップ

認知・興味

各社の求人サイトを巡回し、検索できるようにしている求人情報専門検索サイトです。

デジタル人材への認知を進めていく上でテックブログが一般的になっています。自社のスキルレベルのアピールだけでなく、風通しの良さのアピールや企業としてデジタル人材の活動を承認していることにも繋がります。

テックブログと同じく、勉強会やセミナーといったエンジニアイベントもブランディングでは有効となります。自社サービスに関連するアイディアソンやハッカソンを企画運営することで自社の雰囲気やサービス意義をアピールする効果もあります。

また、SNSによる情報発信も活発化しています。こうしたSNSはフロー型のコンテンツであることが多いため、テックブログのようなストア型のコンテンツと組み合わせることがポイントとなります。近年ではSNS経由でのスカウトも広がっており、候補者の情報発信内容やパーソナリティも加味した上で声掛けができる効率の良さが好評となっています。SNSの発言を元に転職可能性ありの人材としてピックアップするサービスも存在しています。

応募

数多くのスカウト媒体が登場しています。登録者の傾向や数、返信率などが大きく異なるため、使い分けが重要です。また、各媒体の集客状況も時期によって異なります。

数あるスカウト媒体の中でもいくつか特色を持たせたものが存在します。

スキルアセスメントを伴うスカウト媒体では、候補者が登録時にプログラミングスキルテストを受け、その結果を元に企業側がスカウトを打つことができるというものが基本的な流れとなっています。

また、大学院生や博士人材といった高度人材に特化した新卒スカウト媒体も登場しており、R&Dや基礎研究に携わる人材を採用したい企業が導入を勧めています。

Offersをはじめ、副業・複業人材を得意とするスカウトサービスも登場しています。正社員転職とは異なるスキルセットの人材が登録している傾向にあり、今後の企業への組み込みが期待されます。

採用チャンネルの一つとして、社員紹介(リファラル)があります。リファラルを活性化するため募集ポジションの告知、紹介管理、定期リマインドなどを仕組み化したのがリファラルサービス群です。

退職者(アルムナイ)のネットワークを構築し、友人紹介や本人の再入社、業務委託契約を狙っているのがアルムナイサービス群です。

選考

オンライン採用が一般化し、動画面接サービスも拡がりを見せています。振り返りができるように録画ができるものや、候補者が面接動画を登録し企業が閲覧するタイプのものもあります。

従来は選考スピードが優先されていましたが、採用コストが高くなったことで採用に慎重になっている企業が増加しています。対応策の一つがリファレンスチェックと適性検査です。

リファレンスチェックは従来から推薦書のような形で存在していますが、ここに来てシステムが登場しています。候補者から照会可能な2名のメールアドレスを貰うと、そのメールアドレス宛にフォームが飛び、回答するシステムが一般的なスタイルです。

適性検査もまた多数のタイプが存在します。性格診断、知能診断のようなものの他、ストレスチェックのようなものもあります。

採用管理

選考フローの複雑化により、候補者を統合管理していくソリューションがATS(Applicant Tracking System)と呼ばれる採用管理システムです。選考フローを候補者別に管理するだけでなく、契約している人材紹介会社にATSアカウントを発行し、システム経由で推薦を受けるというフローが一般的になってきます。いずれのシステムも選考業務フローに特徴があるため、複数のプロダクトを試用してみて自社の選考フローに近いものを選びましょう。選考フローに拘りの強い大手企業の中にはSalesForceなどを用いて自作するケースもあります。

自社の状況に応じたサービスの組み合わせを

デジタル人材採用に関わるサービスは年々増加傾向にあります。サービス利用費用だけでなく、採用に関わる人件費も合わせて計算をし、自社の求める人材がより確からしく採用できる採用チャネルを選択するようにしましょう。


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