【技術顧問×CTO対談】メガベンチャーとスタートアップでの上場を経て、CTO大谷が導き出したエンジニア組織の最適解

【技術顧問×CTO対談】メガベンチャーとスタートアップでの上場を経て、CTO大谷が導き出したエンジニア組織の最適解

大谷 旅人

共同創業者CTO

経路探索エンジンの研究開発後、2010年に株式会社サイバーエージェント入社。Ameba事業本部でシステム開発・運用責任者、事業部ボードとして組織運営などを務める。2013年株式会社メタップス入社、決済、AI分析プラットフォームの基盤開発やシステム開発責任者として従事、2015年に上場を経験。株式会社overflowの共同創業者CTOで設立に参画。

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佐藤 歩

技術顧問

2012年株式会社サイバーエージェント入社。ウェブサービスのWebフロントエンドエンジニアとして、スマホ向けSNSやAbemaTVの開発などに従事。現在は、横断組織でサービス開発やマネジメントに携わる傍ら、メディア統括本部技術人事室長を兼務する。2019年、株式会社overflowの技術顧問に就任。

エンジニア・デザイナーのための副業・複業・転職の採用サービス「Offers」の利用社数増加により、overflowでは開発力を高めるべくマネージャーをはじめとしたエンジニア採用を強化している。今回はインタビュアーにoverflow技術顧問・佐藤歩を迎え、CTO大谷旅人に現状の開発体制と課題、そしてエンジニア組織の理想像を聞いた。

結果だけでなく、過程を楽しむ組織にしたい

佐藤大谷さんとはサイバーエージェント時代からの付き合いですが、こうして対談というのは照れますね(笑) 今日はoverflowの開発体制や、大谷さんが考えるエンジニア組織の今後を聞きたいと思いますのでよろしくお願いします!

大谷はい、よろしくお願いします(笑) まずは現状のエンジニア組織ですが、人員としてはCTOの私を含めて5名のエンジニアが在籍(2020年3月現在)しています。全員フルスタックで働いているので、フロントやバックエンドの違いはなく、目の前のミッションに分野問わず対応しています。

佐藤大谷さん以外は皆さん副業なのでしょうか?

大谷いえ、私を含めて2名が正社員です。今後、副業から正社員へと雇用形態を変更してくれるエンジニアもいるので、社員比率は上がっていくと思いますよ。評価体制など、エンジニア組織をさらにスケールさせていくためにも、佐藤さんのお力をさらにお借りできればと!

佐藤もちろんです。これからさらに成長していく組織をサポートできるのは楽しみです! そういえばoverflowのSlackを見ていると、エンジニア同士はもちろん、セールスやCSなど他の職種のメンバーとのコミュニケーションがかなり活発な印象を受けています。

大谷はい、エンジニアと他の職種のメンバーはかなり綿密に連携しながら進めています。

たとえば、アナリストとして、メガベンチャーで活躍されている方に副業で入っていただいているのですが、分析基盤をもとに「Offers」のユーザー行動と求人企業の担当者の行動を分析し、CSや営業に生かす取り組みを行っています。

機械学習を推進していくために、前職の同僚だったデータサイエンティストにも入ってもらっています。

佐藤副業をうまく活用しているんですね!

大谷まだまだ課題は多いですが、overflowの主力プロダクトである「Offers」をさらにグロースさせていく一定の基盤は整ってきているんじゃないかと感じています。

佐藤確かにそうだと思います。技術顧問として外部からoverflowのエンジニア組織を見させてもらっていますが、創業3年目を迎えて開発基盤は一定レベルまで達してきたと感じています。

これからどのようにエンジニア組織が進化していくのか楽しみですが、大谷さんは理想の組織像について、どのように考えているのでしょうか?

大谷結果だけじゃなく過程を楽しむ組織にしたいですね。アウトプットはもちろん重要ですが、それを出す上でのプロセス(開発工程)を大事にしていきたいです。

これはoverflowという会社のカルチャーにもつながることですが、とにかくプロセスを最適化(=無駄な時間を排除)し、時間を有効活用していくことに徹底的にこだわっているんです。

エンジニアも当然それに共感しているメンバーばかりなのですが、実はそれをじっくりやれる組織って、これまでの経験上あまりなかったと思います。ですので、overflowでは経験あるメンバーがレビューをしっかりと行い、議論しあえるチームでありたいと思ってます。

あとは仲良くケンカせずに、「美しく作り、綺麗に維持する」に尽きると思います。

佐藤なるほど。先日は代表・鈴木さんの「フレキシブル経営」に関するnoteがSNSでも話題になりました。フレキシブル経営の考え方は、エンジニアの制度や働き方にも何か反映されているのでしょうか?

大谷エンジニアに限った話ではないのですが、overflowでは国籍や雇用形態問わず優秀なメンバーが多いのは面白いと思います。必然的に人脈も広がりますし、プロダクト開発・運営に関する様々な知見を得られる点では、知識欲を満たしてくれると思います。

それにoverflowでは「時間や場所に縛られない」「時間の質を高めていく」という考え方が当たり前になっています。そのため基本はリモートワークで、仕事の進め方も各人に委ねられています。もちろん、PCスペックが高いものを提供するようにもしていますよ。

ただ、制度としてガチガチに固めてはいません。エンジニア個々の能力を最大限に発揮できるような環境作りを大事にしているので、この考え方はこれからも大切していきたいと思います。

佐藤私もそれが良いと思います。overflowらしいエンジニア組織を一緒に確立できたらいいですね。私はサイバーエージェントで技術人事という立場にあり、エンジニアの働き方改善について、組織体に合わせて多くの試行錯誤をしていきました。このあたりのナレッジもうまくoverflowにインストールしていきたいと思っています。

大谷ありがとうございます! 私はCTOとしてはまだまだ経験が浅いので、佐藤さんのような経験豊富な方が技術顧問として力を貸してくれるのは本当に心強いです。

佐藤期待に添えるように頑張ります(笑) あと改めて聞きたかったのですが、大谷さんはCTOとして大事にしている考え方などはあるのでしょうか?

大谷CTOというか、一人のエンジニアとして大切だと考えているのは、作ったものの動くイメージが解像度高く描けるか。そしてそれがお客さまに届いた上で、お客さまがどういう動きをするのかが見えるか。さらに、それを数字で見て、PDCAのサイクルを回すことで次の改善につながるイメージが描けるかですね。

佐藤分かります!非常に大事な視点ですよね。

大谷overflowのエンジニアの中には、プロダクトが好きで入ってきたメンバーもいれば、作り方に注力してパフォーマンスを高めようとするメンバーもいます。だからこそ、どこでも活躍できるようになってもらうため、枠にはめずにマネジメントをしています。

今までの職場でもいろんなタイプのエンジニアに出会いましたが、それぞれが持ってる知識を組織に還元できる仕組みがあれば、なおいいですね。逆にそれが今までできていなかったのは反省であり課題です。

佐藤そこはぜひ一緒に乗り越えていきたいですね!

エンジニア組織の課題は、CTOへの一極集中

佐藤:他にもエンジニア組織の課題はありますか?

大谷私がボールを持ちすぎてることですね。今の私はCTOとしての業務以外にもインフラ全般や実装者としてバックエンドの機械学習のスコアリング、「Offers」の保守運用など、改善ポイントをまとめながら維持しつつ、採用活動もやっています。

佐藤考えられる限り全部ですね(笑)

大谷何でも屋なんです(笑)

担当がいない分野のこぼれたボールをすくい上げて一定以上のクオリティで出す、ということを心がけて創業から2年間やってきました。今まではなんとかやってこれましたが、組織拡大によって、少しずつカバーしきれない部分が出てきているのも実情です。

佐藤たとえばどんな場面でカバーしきれなくなっているのでしょうか?

大谷私がコードレビューや機能レビューをして、UIやUXのレビューはCPOの田中とデザイナーの前幸地にやってもらっているのですが、コードレビューや機能レビューで止まってしまうことがあります。

あとは、ほとんどないんですけど、障害が起きると私がそれにかかりっきりになってしまうんです。

佐藤大谷さんにクリティカルなパスが集まってきてるがゆえ、さばききれなくなることから開発が進まず、リリースできる機能の数が減ってしまっているわけですね。

大谷そうなんです。たとえば、企画側のフローである、企画・設計・実装・テストはパイプライン化ができているんですよ。エンジニアは、そのテストの先のコードレビューからクオリティチェック、リリースまでの部分にチェックポイントが私の1箇所しかないんです。

佐藤メンバーそれぞれ作ることはできるものの、レビューが受けられないのでリリースができないと?

大谷はい、だからといっておろそかにすると不具合につながってしまいます。今まではうまくいってたんですけど、だんだんと私がそれ以外の業務に工数を取られてしまい、若干クオリティに懸念が出ているんです。

私自身、障害が大っっっっっ嫌いなので、今までは鬼の如くチェックしていたんですが、先日、「Offers」を立ち上げて半年で初の障害を出してしまったんです。幸い夜間であったものの障害報告を出しました。

佐藤むしろ、今まで障害を出していないことの方がすごいですね!

大谷ありがとうございます。ですが、やはり目が行き届かない箇所も出てきていてしまい……。この障害はたまたまレビューで見れなかった箇所だったんです。

来たボールをさばき続けることに必死になってしまっていたので、さすがにタスク分配や障害対応を含めて、集中して見なければならないポイントを分ける必要があるなと痛感しています。

リードエンジニアとタスク管理分配していく体制や、カナリアリリース、外形監視なども整えていますが、まだまだ不十分です。

ですので、複数の視座を行き来でき、私と業務を分担できるプロダクト開発のエンジニアリングマネージャーがいてくれたらと最近は特に考えています。

「プロダクト開発」と「インフラ基盤」の2チーム制に

佐藤大谷さんはCTOに加えて、エンジニアリングマネージャーも兼任しているんですよね?

大谷そうです。これまでは単純に人手が足りなかったので私が担当してきましたが、他のエンジニアに権限移譲していきたいと考えています。基本的には解像度高くタスクを消化でき、かつチームのモチベーションを維持・向上できる優秀なエンジニアリングマネージャーにお任せしていきたいですね。

これはCTOとしてやりたいことなのですが、体制を「プロダクト開発」と「インフラ基盤」に分けていきたいと考えています。プロダクト開発のチームは、新たなエンジニアリングマネージャーを中心に、若いメンバーに任せて元気よく作っていってもらえればいいと思います。

大谷今の体制でプロダクト開発チームを新しく立ち上げるとなると、私が中心になってしまい、インフラ基盤の方がおろそかになってしまいます。

さっきの繰り返しになりますが、2チームに分けるにはリーダークラス、つまりエンジニアリングマネージャーが足りない状況なんです。心の中ではスーパーマン的な人がいてくれたらって思ってます(笑)

佐藤エンジニアリングマネージャーは人の差配や評価も必要ですよね。今後はプロダクト開発のエンジニアリングマネージャーを積極的に採用していきたいということでしょうか?

大谷その通りです。

佐藤具体的にいうと、どんな方が必要なのでしょうか?

大谷タスク分配やプロデューサーとの橋渡しなど、マネジメントを担って欲しいと思っています。そのため、「Offers」というプロダクトを発展させるにあたって、品質やコード面がどうあるべきか、という信念がある方をイメージしています。

今後コードをリリースしたとき、ユーザーに対してどんな影響が出るのか、目に見えるポイントではなくて、複数並列で動いている企業の担当者にどう見えるかなど、仕様を把握しつつコードからプロダクトの動きを理解できることが必要だと考えています。

佐藤その上でシステムの品質や安定性をコントロールできる“門番役”が必要というわけですね。求められることは多岐にわたりますが、プロダクト開発にコミットし続けていきたいエンジニアには非常に面白そうですね。

大谷組織自体も成長を続けていますし、常に最適解が求め続けられます。エンジニアリングマネージャーにとどまらず、VPoEとしてのキャリアも広がっていくと思います。

佐藤ちなみに大谷さんのCTOとしての主戦場はどの分野なのでしょうか?

大谷バックエンド部分です。いわゆるアプリケーションから下位のところですね。それにプラスしてインフラ周りも含めたフロントエンド領域より後方のもの全てです。Webサービスから下層の拡張ライブラリを作ったりもします。

佐藤インフラ基盤のエンジニアリングマネージャーは続けていかれるということですよね?

大谷はい。CTOとして、プロダクト開発の方も多少は見ていくつもりではありますが、基本的にはインフラ基盤に集中していきたいと思っています。

“立ち上げ屋”よりはサービスを伸ばせる人が最適

佐藤でもエンジニアリングマネージャーって、会社によってやってることは違いますよね。

大谷そうなんです。ただ、チームリードや新規プロダクトの立ち上げ経験は、一定層のエンジニアにはあると思うんですよね。ポイントはそこだと思っています。

佐藤プロダクト開発に対する想いが重要になりそうですね。

大谷そう思います。本当に今「Offers」は伸び盛りのプロダクトで、「コンシェルジュプラン」という新プランを求人企業に展開しているのですが、それによって社内(主にSlack)には日々色々なアイデアが飛び交っているんです。

佐藤「コンシェルジュプラン」とは?

大谷これは採用企業の担当者が「Offers」に登録しているクリエイター(エンジニア/デザイナー)を検索・アプローチする上で、募集人材の要件定義や返信率・面談率向上のアドバイス、採用決定から稼働に至るまでのサポート、さらには組織課題に対するアドバイスをコンシェルジュが行っているんです。

佐藤これはもはや採用コンサルの域ですよね!

大谷そうですね(笑) 採用現場の声を拾い上げていく中で分かったのは、「Offers」の機能にあまりにもハイテクなものにはニーズがなかったり、一方でそちら側だけの意見に寄せるとハイテクノロジーの企業には魅力に感じてもらえないということです。いろんな要望をいただいてるので、提供の仕方が難しいんですね。

これからはどんどん作り上げていって基盤を維持するフェーズなので、ここをプロダクトにどのように反映させていくかが面白いところです。今のフェーズでエンジニアリングマネージャーとして入っていただけると、来たボールをひたすら打ち返すだけでもかなり刺激があると思います。

佐藤“立ち上げ屋”というよりはサービスを伸ばせる人、伸ばしていきたい人が合いそうですね。

大谷そうですね。維持していくフェーズでもあるんで、ちゃんと設計して見積もりを出して実装、維持、運用の経験がある方の方が適していると思いますね。

佐藤今後も楽しみです。今後は2チームとなりますが、組織やプロダクトの成長に合わせて、常に最適解が変動していくと思います。日々試行錯誤しながら一緒に新しい組織を作っていきましょう!

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