「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に」というミッションを掲げ、インバウンドプラットフォーム事業を行うWAmazing株式会社。2017年1月に、台湾・香港からの訪日旅行者が使用するスマホ向けアプリサービスを開始。現在、日本の主要空港で受け取れる無料SIMカードや、日本国内10,000軒以上の宿泊施設の予約サービスなどを提供しています。
株式会社overflowにSEOコンテンツの制作をご依頼いただいたのは2018年3月。毎月30〜50記事を制作させていだだきました。
急成長中のWAmazingでコンテンツ制作を統括する堀之内隼人さんに、overflowのコンテンツ制作の所感、そして台湾・香港・中国市場向けコンテンツの制作について、お話を伺ってきました。
自社サービスをより多く人に知ってもらうためにコンテンツ制作を依頼
――:弊社のコンテンツ制作をご利用いただき、ありがとうございました。はじめに、弊社に発注していだいた経緯を教えていただけますか?
堀之内さん:お願いした背景は、『WAmazing Snow』というプロダクトで収益を上げるためにオーガニック検索を強くしていきたかったということです。自社サービスへの集客を目的とした、日本の観光地やスキー場の情報、文化のコンテンツをたくさん作っていこうと。
――:SEOでコンテンツの検索順位を上げて、読者を自社サービスに流してマネタイズしていくということですね。
堀之内さん:はい。SEOコンテンツに詳しい周囲の人に相談して、何社か紹介してもらったうちの1社がoverflowさんでした。その方が、御社の代表の鈴木さんとお知りあいで安心感があったことと、文字単価が安かったことが決め手になりました。
SEOコンサルもやっているんですか?
――:はい。SEOコンサルと言うよりも、SEOコンテンツのコンサル・ハンズオンですね。「検索順位を上げるためのキーワード構造」「どのキーワードから優先的に制作していくのか」「記事内のリンクはどうするのか」などをお話しします。記事公開後のモニタリングも受けています。
スピード感とフレキシブルな対応でビジネスに貢献
――:実際、弊社のSEOコンテンツ制作はいかがでしたか?
堀之内さん:仕事が早かったです。依頼させていただいてから納品まで、1カ月半くらいでした。
――:ありがとうございます。今は、1カ月でやっています(笑)
堀之内さん:そうなんですか! 対企業で、ある程度のロット数をお願いすると「2カ月ぐらいほしい」と打診されるので、早いなぁと思いました。
キーワードをお願いすれば、ちゃんと構成を考えて、テキストを書いていただける。僕らは負荷が減って、社内のリソースを最終チェックに割けるので、スピード感をもって仕事ができました。
――:他社さんでは、構成を作らないところが多いんですか?
堀之内さん:結構多いですね。こちらで構成を作らないと記事内容がおかしくなることもありますし、もし作っていただいたとしても、その分作業量が増えて時間がかかる。これは、ライターさんの質の問題もあると思うんですが。
御社は、僕らがキーワードをお渡ししたあと、構成からライティングまで、とてもスピードが早かったと思います。
構成もしっかりと作っていただいて、たまに変なところがあっても、フィードバックしたらちゃんと直していただけたので、その辺はありがたかったです。
記事の内容も安定していましたね。
――:ありがとうございます。実際に弊社の方で制作をしてみて、UU数とかPV数に影響はありましたか?
堀之内さん:2017年の11月に立ち上げた『WAmazing Snow』は冬にトラフィックが多くなるんですが、2018年11月から2019年5月までの半年間、UU数はオーガニック集客で前年比500%伸びています。
――:かなり伸びていますね! 御社の内部制作と弊社制作の割合はどのくらいですか?
堀之内さん:全体の5~6割は御社の制作です。
――:弊社の制作本数は毎月30〜50本くらいでしたね。
堀之内さん:そうですね。1カ月あたりの本数は、最初30本くらいからスタートして、そこから増やしていきました。その辺、フレキシブルにご対応いただけたのは良かったかったですね。
やっぱり、新しくお取引をする企業や個人の方と信頼関係を築くのは時間がかかると思うんです。なので、もともとつながりのある企業の方で、必要に応じてフレキシブルにオーダーを増やせるというのは、スピード感をもって事業をやるうえでも、非常にありがたかったですね。
――:ありがとうございます。
堀之内さん:こちらこそ。メディアの伸びが売り上げの増加にもつながっていますので、本当にありがたいです。
構成から執筆まで一貫して任せて、内部は翻訳やチェックに集中
――:実際に記事制作のフローについては、いかがでしたか?
堀之内さん:内部で作る場合は、キーワード選定して、構成を作って、ライティングするわけですが、ライティングは早くても1本4時間くらいかかります。
御社のライターさんは、どれくらいでやっていますか?
――:3000文字で、2時間程度ですね。長い人で3時間くらいです。
堀之内さん:それは早いですね。
――:そうですね。ライターさんに書き方のパターンをインストールしていて。それは私の方で作っているんですけど。
堀之内さん:型のようなものがあるんですか?
――:ありますね。基本的にSEO記事は読者に正確で有益な情報を伝えることが目的です。そのためには必要な要素があって。その要素をしっかりとまとめて、あとは情報を当てはめていくだけで最低限のSEO記事は書けます。その工程を最適化していくということですね。
堀之内さん:なるほど。情報さえ入れてしまえば。
――:そうですね。あとは文章力を磨いていきましょうと。そのあたりはnoteにまとめて、ライターのみなさんに見てもらっています。
堀之内さん:外部公開もしているんですか?
――:はい。
堀之内さん:見てみますね! 僕らは記事を制作したあとに翻訳して、さらに翻訳文をチェックする作業があるので結構大変で。内部での記事制作をもっと早くしたいですね。御社では記事制作を一貫してやってくれるので、その後の翻訳・チェックに集中できてとても助かりました。
――:ほかに「こうしてほしかったな」など、何かご要望がありましたら教えてください。
堀之内さん:現在はWAmazing Snowだけではなく、日本の魅力を網羅的に発信するメディア運営を開始しました。各国のニーズに合わせて、構成を自社で作成していますので、ライティングだけをお願いしたいですね。
――:確かに、その方が効率がいいですね。
堀之内さん:そうなんです。以前は、構成からライティングまで通して制作していただけることがありがたかったわけですが、部分的に次の段階に移行しつつあります。
――:弊社は、構成からライティングまで一貫したシステムになっているので難しい部分もありますが、ご発注いただければ、何とか努力してシステムを作っていきたいです。
堀之内さん:毎月200本以上作りたいのですが、大変なのでぜひ(笑)
――:本数的に200本の制作は可能です。これまで御社も含めて60社以上の会社さんのコンテンツに携わらせていただいて、とにかくいろいろなことをやってきたことが弊社の成長につながっていると思います。これからも環境の変化やお客様のご要望にフレキシブルに対応していきたいですね。
旅行コンテンツの拡充とメディアのローカライズ戦略で
アジアの訪日旅行客にリーチしていく
堀之内さん:僕らが今やろうとしているのは、外国で読まれる記事は、直接その国の言葉で書いていくということです。翻訳のコストを落とせることもあって、比率を増やしているところです。
これはコスト面だけでなく、記事のクオリティにもつながる話なんです。外国人が日本語の記事を翻訳するときに、「外国人目線で書かれていない」「そもそもこんな言葉はない」と言われることがあります。「“舌鼓を打つこと間違いなし”とか、どうやって翻訳すればいいんですか?」みたいな(笑)
――:それは難しいですね(笑)
言語が変わるとSEOのアルゴリズムも変わってくると思いますが、そこはどうですか? 日本語の記事を英語に翻訳して海外に発信したとしても、SEO的に検索順位が上がらないことがあります。これは中国語でも起こることだと思いますが、どのようにクリアされたのでしょうか?
堀之内さん:そこは二つあります。コンテンツが増えてきてドメインの評価が全体的に上がってきたこと。もう一点は、記事のクオリティが上がってきたことです。
ドメインは台湾・香港・中国とカントリー指定していない英語の4つでやっているんですが、台湾・香港・中国では、翻訳する場合、現地のワーキングホリデーなどの方々にテキストを見てもらって、単に翻訳するのではなく、現地の人が見て違和感がないようにローカライズして出しています。
台湾・香港・中国の言語は同じ中国語なのですが、やっぱり少しずつ違うんですね。台湾人の方が翻訳してくれたものをそのまま出すと、香港の人が読んだときに「これは台湾人向けに作られた記事だな」とわかっちゃうんです。
――:それは大変ですね!
堀之内さん:かなり大変ですね(笑)
基本的にコミュニケーションは同じ言語ですが、文字になると全然違うところがあります。本気でやるなら、そこまでちゃんとやらないと勝てないなぁ、と思います。
――:最後に、サービス展開やメディア戦略など、今後の展望をお願いします。
堀之内さん:これから、予約・手配可能な旅行コンテンツを拡充して、アジア各国に向けてサービスを展開していきます。
日本には魅力的な資産が多くあるのに、まだまだ知られていないのが現状です。日本中の魅力的なコンテンツを拡充させ、知ってもらう入り口としてメディアを充実させていきたいですね。
台湾と香港は、SEOに力を入れてサービスにつなげていく。中国は、「WeChat」のミニプログラムをはじめとする、アプリでファンを増やしていきたいと思っています。
――:今後、いちばん注力していきたい国はどこですか?
堀之内さん:中国ですね。マーケットの大きさが全然違います。台湾は人口約2400万人、香港は700~800万人。中国は13億人以上じゃないですか。ビザを持っている人は10%くらいで約1億3000万人と言われていますから、大きいですよね。
――:文字通り規模が桁違いですね!
またお力になれることがあればぜひ。本日はお忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。
取材・編集・写真:新留一輝
執筆:菅眞理子